越境ECについて
越境ECって何?
今、海外市場に目を向けるべき理由
越境ECって何? 今、海外市場に目を向けるべき理由
そもそも越境ECとは
「越境EC」とは、経済産業省の定義に従うならば、「消費者と、当該消費者が居住している国以外に国籍を持つ事業者との電子商取引(購買)」です。海外では「クロスボーダーショッピング: Cross Border Shopping」と呼ばれているものが、これに該当します。
2020年の東京オリンピックに向けて、さまざまなイベントや取り組みが行われています。前回東京でオリンピックが開催されたのは半世紀以上前の1964年です。
この前後から、日本は「高度経済成長時代」を迎え、GNP(国内総生産)もうなぎ登りに上昇、1990年(平成2年)にピークとなりました。この時期を境に世の中の価値観やビジネス観は大きく変化し、成長の答えを過去に求めても解は見つからない時代が到来しました。
現在、ビジネスでは日本の代名詞であった「改善」や「品質向上」はさることながら、「新たなる発想」、「ニーズの開発」、「市場開発」をしないと豊かさを手に入れることが困難な時代になりました。
こと市場開発に関しては、ITをチャンスに生かせるかどうかが企業にとっては喫緊の課題となっています。これを具体化する手段のひとつが「越境EC」です。
越境ECの市場規模は拡大傾向に
経済産業省の報告書によれば、BtoC EC市場は世界のどのエリアにおいても拡大傾向にあるとしています。「スマートフォンなど安価で入手できるデバイスの普及」、「インターネット人口の増加」、「決済機能の多様化への対応」、「オンラインショッピングを支えるインフラ整備」など複数の要因が影響しているようです。
2018年の世界の越境EC市場規模は約6,760億USドルで、対前年比成長率は27.5%。2020年まで対前年度20%以上の成長が続くと見込まれています。
現地法人や事務所を開設したり、大規模な設備投資をすることなしに海外の消費者に直接商品を販売できる越境ECは、中小企業でも海外市場開拓ができる大きなチャンスです。
eBayを初めとした数多くのサービス会社が、安価で簡単に運用できるプラットフォームを提供しているので、無理なくスタートすることができるようになりました。
さらにはWeb広告やソーシャルメディアを活用し、インターネットを通じて簡単に世界へ情報発信できる環境が整った今、海外ネット販売は中小企業にとって魅力的な市場開発の手段となっています。
越境ECの市場規模が大きく伸びる要因
越境ECの市場規模が大きく伸びた要因のうち、「スマートフォンなど安価で入手できるデバイスの普及」、「インターネット人口の増加」、「決済機能の多様化への対応」、「オンラインショッピングを支えるインフラ整備」という四つを紐解いてみましょう。
1. スマートフォンやiPadなどのデバイスの普及
世界のスマートフォンユーザー数は、2022年には33.5億人に伸びることが予想されています。
スマートフォンの普及に伴い、いつでも、どこでも自由にインターネットにアクセスする環境が整い、その結果、スマートフォンを使って多くの人が世界中のECサイトから、自分がほしいモノを購入できるようになりました。
2. インターネット人口の増加
世界全体でインターネットユーザー数は2022年には42.0億人、普及率は約53.1%となっています。
3. 決済方法の簡素化
従来は海外から商品を購入しようとする場合、購入者は国内の金融機関に高い手数料を支払って、海外送金を行っていました。
しかし現在、PayPal等に代表されるWeb決済代行会社の誕生により、クレジットカードで簡単に決済を行い、海外からでも簡単に商品を購入することができるようになりました。
4. オンラインショッピングを支えるインフラ整備
とりわけアクセスポイントの増加、ネットワークスピードの向上、そしてSNSの広がりは目を見張るものがあります。世界の通信環境は着実にされつつあり、利用者も拡大の一途をたどっています。
世界では実際に購入した人の投稿やコメントを判断材料にして、商品を購入するようになってきています。購入者の心理的不安を解消する上で、ソーシャルメディアは重要な役割を担っているといえましょう。
このようなさまざまな要因からも、越境ECの市場が拡大傾向にあることはお分かりいただけるかと思います。